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コラム「マダムの部屋」
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マダムの部屋
ちょっとちらかってるけど、気にしないでゆっくりしてって!

マダムの部屋-4-
「キムチパワー」


 サッカーのワールドカップが終わった。
 韓国は3位決定戦で残念ながら負けてしまったが、大活躍だった。30日まで私たち全日本スケルトンチームは長野で合宿だったのだが、ルーエのテレビで3位決定戦を見ていた越さんやホテル・ルーエのマスターは、「キムチパワーだよ、これ絶対そうだよ」と盛り上がっていた。
 ルーエには、リュージュの韓国チームが冬になるとスパイラルの滑走トレーニングで毎年宿泊しにくるのだが、朝昼晩と、韓国から持参したキムチを欠かさず食べているそうで、ニンニクのにおいをぷんぷんさせているという。それほどまでにキムチというのは、韓国人にとってはポピュラーなものだ。
 キムチは、日本の漬物と同様、冬になる前に各家庭で漬ける。仕込みで、カキやタラなど数種類の魚をそれぞれ発酵させ、「塩辛」をつくる。ニンニク、ショウガ、ネギなどの香草と、何種類かの塩辛、唐辛子に、白菜を漬け込むらしい。手の込んだ作業であることには違いない。
 そういえば、ソルトレークオリンピックの選手村のダイニングにもキムチは常に置かれていた。小さなパックに入っており、たくさん並んでいた。韓国選手がキムチチャーハンやキムチパスタをキッチンで頼んでいる姿を見て、私もまねして毎日のように食べていた。大味な洋食にキムチを添えると、メニュー全体が締まるような気がした。
日本におけるキムチの存在は、梅干し、漬物などにあたるのだと思うが、私にとって欠かせない食材は、味噌。長期にわたって遠征していると、なんだか胃腸が落ち着かなくなるときがある。そんなとき、たまたま持参していたインスタントのみそ汁を飲んだ時、胃が洗われ、気分が落ち着いていくのを感じた。日本の伝統食品である味噌のすごさを実感した。からだに効く!と感じた。それ以来、必ず持ち歩くようにしている。
 選手村にも、たまにみそ汁はあったけど、薄味でまずかったのが残念だった。帰国してから、みそ汁が毎日飲みたくなるようになった。それも美味しいやつ。ちょっとお金を出していい味噌を使えば、具に何が入っていても満足する。
 そういえば十年来、名古屋を通ったときは、山本屋本店といううどんやの八丁みその煮込みうどんを必ず食べることにしている。めちゃくちゃ濃いが、スープを飲み干すとそれこそ胃腸を消毒されているような気分になる。病みつきになっている。
余り詳しいことは知らないけど、発酵食品はとにかく栄養素が高く、長期間熟成させているものほど、エネルギーが強く、味わいも深い。(値段も高い)
 キムチよりもクセがないから、口臭も気にならない味噌のパワーを借りて、今年は遠征を素敵に乗り切りたい。

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