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マダムの部屋
ちょっとちらかってるけど、気にしないでゆっくりしてって!

マダムの部屋-22-
「My Own World」

1月11日に全日本選手権が終わって、14日に日本を発ち、リレハンメルのW杯を終えて今、 シグルダというラトビアに滞在しています。 ラトビアのシグルダって何?と人に聞かれることがあるので、説明すると、ラトビアはロシアの隣国にあるバルト3国の1つ。 シグルダは「長野」みたいなもんなんだろうか。長野というよりも、牟礼村ってかんじかな。 結構ハードなコースらしいので、要注意であります。

ご存知のように、東條様が全日本選手権の優勝から快進撃を続け、リレハンメルでは2位まで上り詰めました。 前半戦から共に遠征していた私は、彼の言動等をまるで「お説教」(怒られているという意味ではなく)のように感じ、 若いのになぜ、こんなに悟ってらっしゃるのだろうかと、心から感心していたのですが、 やはり、心が強いと、身体も強くなるのでしょうか。身体を正しく鍛えたから心も強くなるのでしょうか。

東條様はよく音楽を聴いてらっしゃいます。それに、周囲で起きている出来事に動じません。 決して、気付かないのではなく、何かに気付いてとしても、流せるようです。ここが私とは大きく違う点でもあります。 感情をめったやたらに大きく動かさないのでしょう。自分のスタイルを信じ切って行動しているように見受けられます。

多分、私だけでなく、周りの選手たちも彼が気になったことでしょう。 そして、いつの間にか、彼の世界に引き込まれたのではないかと思います。 うまく回っていく時って、そんなものなんじゃないかなと思います。それも皆、本人の力なのですよね。

そして、ここのところ彼がやってのけている滑りは、私がここ数年目指してきたものにかなり近いです。 ラインを狙うというより、走らせるという滑り。極限まで脱力するという滑りであります。 人によっては、「いい滑り」とは呼ばないかもしれません。 でも、私はこれができてから次のステップがあるのだと思っています。 それには、ふだんの行動、思考回路まで力を抜かなくては、いざというときには本所がでちゃうんだと思います。

彼の「世界」を観察しているうちに、自分の「世界」は大して確立されていないということを感じ、焦り始めた私です。 リレハンメルW杯は入賞できる感触があったのに、僅差を詰めきれず、まくられて14位に終わってしまい、情けなく思っています。 そして、自分の「核」を再度確認し作り上げようと思っている今です。

信毎で似たようなコラム「転戦記」を年明けから始めたため、ちょっとおさぼり気味だったマダムの部屋。 また、こちらも気軽にレポートしていこうと思います。 ぐちゃぐちゃ考える前に、好きな競技に専念できるこの環境、身の幸福を感謝しながら・・・

ことしもよろしくお願いいたします。

えいこ
「脱力ってこんな感じかニャ?」

(2004.1.27)


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