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マダムの部屋
ちょっとちらかってるけど、気にしないでゆっくりしてって!

マダムの部屋-20-
「Good Morning」

約40日間にわたる北米遠征から一時帰国した。
だが、3日後にはまた、ドイツへ旅立つため、私は寒いらしい長野へは帰らず、今、 東京のホテルに滞在している優雅(?)な身。時差の影響で睡眠障害がひどくてちょっと困っているんだけど。 (連続睡眠ができず、最高4時間で起きてしまう。長い間寝たい方の私は滅入るの)まあ、気にせず、 PCになど向かっています。

このホテル、はっきりいって、カナダのホテルの4分の1もないような。 ベッドの回りのスペースは足の踏み場なし。まあ安いし、きれいだから許す。それに、ただで朝食がつくのも魅力。

前夜2時以来、眠れなかった私は、お腹をすかせて朝7時、張り切ってロビーに朝食に向かった。 おにぎりとみそ汁、漬物のサービス。好きなだけ食べられるのだ。ビジネスマンもたくさんいた。 お給仕のおばちゃんが、「おはようございます」と声を掛けてくる。私も笑顔で「おはようございます」と挨拶を返す。 普通だよね。でもでも、ほかのおっさんたちは、だーれも言わないんだよ。 しかもさ、ご飯食べさせてもらってるのにさ、暗ーい顔して、黙々と皿におにぎり取っている。 その空気に妙な不快感をおぼえた。でも、おばちゃんたちはめげずに、新しいお客さんが来ると、 「おはようございます」と気持ちよく声をかけているではないか。

海外のホテルなんかでは、例えばエレベーター内で知らない宿泊客なんかと朝会えば「Morning」 と挨拶するのが普通。 だから朝、何回も言う。ましてや散歩してても、すれ違う人と挨拶するのも普通。 目も普通に会わせて「スマイル0円」である。 一説によると、いろんな民族がいる大陸では、「自分はあなたの敵ではありません」 を示すための合図の名残だとも言われているが、でも、なんだか普通。笑顔で挨拶は基本的に気持ちいい。 日本では、あり得ないのか。

変じゃん。と思って、ほかの場所でもWatching を始めた。 お昼に入ったお店でも、店員が帰り際に「ありがとうございました」と愛想よく声をかける。 しかーし、「ごちそうさま」と言えるお客が少ないこと、少ないこと。当たり前のようにお金だけ払って、 偉そうに無視して出ていくの。ほとんど、がよ。特に男性。

ちょっと日本、どうかしてるんじゃない??

この間も書いたけど、理由の一つに「感謝の気持ち」ってのが、持てなくなっているのだね、 「自分はお金払っているんだから、ものが出てきて当たり前」みたいに思っているのだろうか。 経済主導の社会がそうさせているのだろうか。でも、自分の口に運ばれるまでにはいろんな労力が介在するわけで、 ただ、カネで解決する問題じゃない。 「運んでくれてありがとう」とか「いただきます」という感謝など皆無なんだろうな、このおっさんたちには。 そういう気持ちを持った時、「感謝」の「気」が交換された時、世の中、かなり変わることあるんだろうにな。

会社ってどうだったっけ、と思い返し、確かに、暗い顔してうつむいて歩いている人って多かったように思った。 「おはよう」の挨拶できない人って、結構いたなあと思った。

ちなみに朝のおにぎりは美味しかった。まず、2個とったんだけど、「もうひとついただこう」と3つめにチャレンジ。 そのときも「おはようございます」と言われたので、いい返した。 久々の日本、もう1個食べたくなって、4つ目をもらいに言ったときに、 もう一度「おはようございます」と言うのはなんか恥ずかしくなってしまったんだけども。 ちょっと朝から食べ過ぎた。

ともあれ、皆さん、せめて、朝の挨拶くらいはしようよ。
(2003.12.10)


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