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マダムの部屋 「山ぶきへ行こう!」 「山ぶき」のご主人と奥様 取材当日の「山ぶき膳」 私はグルメな会社員だ。さすがに最近は自炊の回数が相当増えたが、以前はほぼ毎日外食していた。「美味しい」と聞けば、必ず足を運ぶ。お酒は飲まないが、食に関してはかなりバブリーだった。そんなこんなで、長野市内の飲食店は結構開拓した。しかし、ここ一年ばかり、全く外食したくなくなった。飽きた。私にとってのご馳走は、まさに「粗食」な和食に変わりつつあった。でも、一人でご飯食べるのつまらないから、いいお店ないかな・・・と思っていた。 そんな私が今、はまっているのは、ホテル・ルーエさんの娘さん(ちかちゃん)ご夫婦が昨年末、ルーエ横に開店した「山ぶき」。週に一回は行っている。季節の食材を使ったお料理を出してくれるが、毎日でも食べたいくらいにおいしい。春は、庭や近くの山で採れた山菜を中心としたシンプルなお料理、池で養殖しているイワナの塩焼きなど。5月も中旬となれば、家庭農園で収穫された夏野菜で彩られる。素材そのものの味が存分に引き出されている。体の中がきれいになって元気が出る!お昼のセット山ぶき膳は1500円で大満足の内容だ。何度行っても感激の色はあせず、いろんな人に紹介しまくっている。一人でも行く。粋な旦那さん(直也さん)はオーストラリアで和食屋の板長をやっていて、留学中の智香ちゃんと出会い、ゴールインされたそう。長らく豪に住み、98年の長野五輪をきっかけにお父様(せいちゃん)が住んでいた飯綱に移られた。家族の協力もあって、昨年末、念願だった和食店開店にこぎつけた。理想のカップルと思われる二人は、とっても素敵で、気持ちいいお店だ。市内にはなかなか和食のいいお店がない・・・と思う。イタリアンレストランはたくさんあるけど、新しい店をみるたびに、食傷気味に陥る。 わたしが和に目覚めたのは、年のせいもあるかもしれないが、ある時玄米を知人からもらったので食べてみたらめちゃくちゃ美味しかったため、玄米食に変えた。そしたら、自分の体が食材を選別し、欲するものが変わってきた。まず、肉を食べたくなくなった。(海外遠征に行くと肉ばかりが出てくるため、嫌になったというのもあるけど…)油のものもいらなくなった。興味が高じていろいろと調べたり、聞いたりしてみたら、純正な日本人の体に帰りつつあるということらしい。(どうやら玄米にはそういう力があるとか)「身土不二」と言う言葉があるそうだが、何百年、何千年と培われてきたその土地の食は最も自分の体に最も合ったもので、それを食べることが健康には一番いいそうだ。特に戦後、日本人は自分たちの文化をいとも簡単に捨てたが、食もその一つだという。 競技をするようになって「日本人である自分」ということをつくづく考えさせられている。ほかの国のものを吸収することも大切だけど、まず、自分たちの持っている風土や文化をよく知る必要があるし、「自分」に目を向ける時期にまさにきているんじゃないか、と思う。 理屈はともあれ、「山ぶき」はかなりイケてるから、皆さんぜひ、行ってみて下さい。火曜日定休。昼、夜営業。電話番号026−239−0081。 ☆ルーエさん=そり競技団体の合宿等の宿舎としてお世話になっているホテル。スパイラルを通り越して、ずっと山の方に上っていって、飯綱スキー場につきあたったすぐ左にあります。 |
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