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マダムの部屋
ちょっとちらかってるけど、気にしないでゆっくりしてって!

マダムの部屋-16-
「過去の栄光」

今、レークプラシッドにいる。 ここは1932年と80年に冬季五輪が行われた街。 アメリカ・ニューヨーク州のはずれ、カナダとの国境近くだ。
私にとっては一昨年、五輪シーズンのワールドカップ第4戦、怪我の影響もあり、 最下位を取って泣きわめいた場所であり、昨年は第3戦で9位、初めて10位以内を獲得したところでもある。 今年は12月6日に第2戦が行われるが、果てさてどうなることでしょうか・・・(飛躍を期待)

特に今年は暖かく、この土地のシーズンインには早いせいか、街が寂れて見えている。 昨日、お散歩で街まで歩いてみたのだが、とにかく「活気」がない。 お店も開いているのかどうなのか、わからないような感じ。古い建物や、家並みも、 なんだか手入れが行き届いておらず、いまいち楽しくない。 オリンピックセンターの脇には、400メートルの屋外スケートリンクがあるのだけど、 当然、氷は張っていない。寒くなったらリンクになるのだろうが、 もはや使われていないだろう電光掲示板が寂しく傾いていた・・・

アクシデントで一泊した町中のモーテルは、元五輪ジャンプ選手が経営しているとかで、 フロントには数え切れないトロフィーやらメダルやらを棚いっぱいに展示していたが、なんだか重たかった。 (部屋はこぎれいでナイスでしたが)

「過去の栄光」は所詮、過去なんだな、と感じてしまった。
人間にしても、暮らしにしても、手を掛けないとかっこ悪いんだね。
自分自身の外面、及び特に内面を常に見つめ、身の回りの物(人、所持品、住まい等、すべて)に 愛情を注ぐことはささやかでも幸せな気持ちや空間を維持する秘けつなのかも。

長野もオリンピックやった街だからって、何も偉くないわけで、光った後は、 より一層磨き続けないと廃れていく。過去の遺産では食えない。
ヨーロッパなんかは割合、歴史的なものが生きていると感じる。 古き良きものを大切にし、手を入れ続けているからなのだろう。 そんな街には何ともいえない良い「気」を感じ、そこにずっと身を置きたい気分にさせられる。
思い出写真や、思い出グッズに自分がこだわりを持てずにいるのも、理由があるように思えてきた。

所詮、過去は過去なのだよ。過去を振り返り、懐かしむ時間を持つより、「今」のその瞬間に力を注ぎ、 全力を傾け、未来を作り続けたいなあと思っている。
元気な証拠かな。
(2003.11.20)


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